さつき寄席ルポタージュ 五月の狂熱

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5月13日、土砂降りの中東京経済大学へ集まる若者たち。 落研が集まるって、どんな感じなんだろう?と期待に胸を膨らませる新入生、新歓がひと段落ついて、再会を喜び合う顔なじみのメンバー。 彼も彼女も、向かう先はただ一つ、「さつき寄席」の会場である。関東落研連合が「さつ き寄席」を開催するのは今年で2回目だが、大勢のメンバーが集まっている。
開演前の妙な静けさを破ったのは、開口一番の田町家巷による、元気な中に可愛げと少しの怪しさを感じさせる『猫の皿』だった。法政落研のツイッターにもあったように、しっかりと「猫をこねくり回」しながら 会場を温めた。

法政大2年 田町家巷

続いて登場したのは丸家りーた。女子2連続という順番の中、『勘定板』を披露。策伝打ち上げ3次会のノリで出演が決まったというマクラからスタートし、持ち前の美しい声と安定感のある方言で、クスリと笑いを誘う。

桜美林大2年 丸家りーた

真っ赤な着物で3番目に登場したのは七転抜刀!彼の『猫と金魚』を見るのは2回目だった が、何度見ても独特の言い回しや間、グルーヴに飲み込まれる感覚に病み付きになる。く らくらしちゃう。

埼大3年 七転抜刀

お次は、杢兵衛のキャラクターが憎めなくて憎い賽狸家可不可の『お見立て』。後半「女 ってやつはよぉ」と叫んでいたが、これは落語のセリフだったのか、可不可の心の叫びだ ったのか、難しいところである。

東大3年 賽狸家可不可

仲入り前最後は、もはや放送禁止ギリギリという言葉では言い表せない、和泉家首骨折による『宮戸川(下)』。これこそ学生落語の会場に足を運ぶ意味だなぁ、と感じた。見て いる私はひやひやしているのか、不覚にもきゅんとしてしまっているのか、なんだかわからなくなるような、そんな伝説の高座だった。

明治大3年 和泉家首骨折

 

 

 

仲入りを挟んで、2代目す亭ごおるどによる『棒鱈』。まくらも独特で、登場キャラクタ ーもとことん変幻自在。後半畳みかけていく展開には目を見張るところがあり、ドキドキさせられた。 観客を再び惹きつける第2幕スタートにふさわしい落語である。

東経大2年 二代目す亭ごおるど

続いて飯喰亭おはぎによる『つる』。中喜利を控えた私はどうしても見ることができなか ったのだが、某同期からは「表情の表現が豊かで、みるみる引き込まれた」という評判を聞いた。会場のボルテージも最高潮になっていたという。

中央大学3年 日大文理落研 飯喰亭おはぎ

 

 

そんな中、全番組唯一の色物コーナー、中喜利が始まった。関落連副総長・酒乱苦雑派、補佐・霜月亭雪走による 太陽のような司会の中、陽気とも陰気ともいえるメンバーがぞろぞろ入場する。乱痴気の 席がないというハプニングもありつつ、各々独自の世界観を展開していく。

大喜利演者 左から
萬籐(法政4)
よみ(筑波3)
漱石(一橋3)
勝虎(駒沢2)
蕎麦助(東経2)
乱痴気(桜美林3)
粋太(國學院3)

 

 

しかし、優勝した蕎麦助の狂気と度胸に勝る者は、この宇宙を探してもいないのではないだろうか。満場一致でみんな蕎麦助の虜となった!乾杯!

ウイニング大喜利を披露する蕎麦助

終盤戦、豆腐家杏仁による爆裂萌えキュン『短命』。この噺を目にするたび、「はい、あなた」って言われてぇ~!!!とジタバタするものだが、今回はしっとりした中に天真爛漫さがあって、なんというか、まさに、短命だった。

成城3年 豆腐家杏仁

トリをつとめるのは関落連総長、橘亭カレーぱん。集中して見ている方がむしろ置いてい かれるような、おとぎ話の中に迷い込んだような、そんな『堀の内』。考え抜かれすぎた 芸術的なハチャメチャを前に、うっとりして、感動して、恐怖を感じて、少し涙がでまし た。ずるいです。

東経大4年 関東落研連合総長 橘亭カレーぱん

 

こうして第2回「さつき寄席」は大盛況の中幕を閉じた。新入生にとっては、これからの 落研人生に想いを馳せ、切磋琢磨していく仲間との交流を深められた素敵な会となったことだろう。上級生としても、新たな学年の自覚がやっと芽生え、それぞれ今年度の決意な んかを胸に秘めつつ、仲良く楽しい会となった。
各大学では新入部員のお披露目が随時スタートしているところだろう。また、てんしき杯 のエントリーも発表され、落研界隈のツイッターはお祭りムードだ。皐月が終わり、夏はすぐそこにきている!またどこかの寄席でお会いしましょう。

ご来場ありがとうございました!

 

文責・粋人亭漱石(一橋3年)

協力・粋人亭志ん喬(一橋3年)

写真・田町家ぴー助(法政2年)

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